糖質制限ダイエットは天使か悪魔か

近年、ダイエットの二台巨頭とされる「ケトジェニック」と「ローファット」。
簡単に説明しますと、糖質量を制限するダイエットと、脂質量を制限するダイエット。

その中でも、本日は糖質量を制限するケトジェニックダイエットについてこれらの研究(r1)(r2)(r3)(r4)をもとにご紹介しようかと。

ケトジェニックダイエット、読みにくい上にタイプしにくいので、以下「糖質制限ダイエット」とします。

目次

糖質制限ダイエットとは

炭水化物を減らして糖質を制限することで、空腹を感じにくくし、健康的に痩せられるという題目のダイエット法です。これには様々な研究があり、医師や専門家の間でも賛否両論が分かれています。

テレビなどでは、芸能人がライザップで痩せたというニュースや番組が頻繁に取り上げられ、糖質制限ダイエットが良いと信じる方もいるかもしれません。
しかし、実際のところはどうなのかと言うと、あれはライザップがスポンサーになっているからであって、実際には糖質制限ダイエットの良し悪しに関する研究は賛否が半々くらいです。まあ太りやすい体質の人もいれば太りにくい体質の人もいるので、ダイエット研究で賛否が分かれるのも納得です。

その中でも信頼性が高い研究だけをピックアップして、糖質制限ダイエットのメリットとデメリットを見ていきましょうー。

糖質ダイエットの効果

まずは糖質制限ダイエットの効果を見た、とても信頼性が高い論文からご紹介します。2014年にトロント大学が発表した論文(r1)で、最強のダイエット法は何かを見た研究です。
この研究は、2014年までに行われたダイエットに関する信頼性が高い研究のみを選んで結果をまとめた「メタ分析」によるものです。メタ分析とは、これまで行われた多くの研究をまとめて、その信頼性を評価する方法でして、研究を研究するわけなので、トップクラスで信頼性が高いと言われています。

このメタ分析では、ダイエットに関する20,835件の論文のうち、信頼性が高い48件を分析。そして、11種類のダイエット法の中で最も体重が減少しやすいダイエット法は何かを調査しました。

ダイエット法には、

  • 糖質制限ダイエット
  • 低脂肪ダイエット
  • カロリー制限ダイエット
  • ゾーンダイエット

などがあります。この研究は、これらのダイエット効果を6ヶ月と12ヶ月の時点で評価しました。

結果として、6ヶ月時点では、最も体重が減少しやすいダイエット法は糖質制限ダイエットでした。僅差で2位は低脂肪ダイエットでした。しかし、12ヶ月時点では、どのダイエット法も大差なく、1年間同じダイエットを続けた場合、どの方法でも体重減少に大きな差はないという結果でした。つまり、体重減少という面だけで見れば、糖質制限ダイエットには効果があるものの、他のダイエット法に比べて長期的な優位性はないということです。

また、2014年のステレンボッシュ大学の研究(r2)では、カロリーを一定に保った場合、糖質制限ダイエットとバランス食ダイエットのどちらでも、体重減少や健康に関する数値に違いはないという結果が得られました。
この研究もメタ分析で行われておりますので、かなり信頼性の高いものかと。

この研究では、糖質制限ダイエットが心疾患のリスクを下げるかどうかも調べましたが、どちらのダイエット法でも血圧やコレステロール、空腹時血糖値などの健康に関する数値に違いは見られませんでした。

これらの結果から、糖質制限ダイエットは短期間での効果は認められるものの、長期的には他のダイエット法と大きな違いはないと言うことですね。

メリット

では、糖質制限ダイエットにメリットはないのかというと、そうではありません。

糖質を制限すると炭水化物を減らし、タンパク質を多く摂取することになります。タンパク質には食欲を抑える作用があるため、食べたいという欲求に苦しむことなくダイエットができる可能性があります。2019年のミズーリ大学の研究(r3)でも、糖質制限ダイエットにより食欲が減少し、空腹スコアも減少したという結果が出ています。ただし、この研究はサンプル数が少ないため、リバウンドを防ぐ可能性が高いとは言い切れないのが正直なところ。

また、2013年の日本の国際医療研究センターのメタ分析(r4)では、糖質制限食と死亡率の関連について調べた結果、
5年間糖質制限ダイエットを続けると死亡率が1.3倍になるという結果が出ました。この研究では、具体的にどの病気で死亡したかは明らかになっていませんが、糖質制限ダイエットを行っていない人と比べると、死亡率が高くなる可能性が示されています。

糖質を制限したことで、体内のエネルギー量が減少し、運動することが少なくなったのではないかと言うのが私の推測です。

まとめ

結論として、糖質制限ダイエットは短期間では効果があるものの、長期間続けると死亡率が高くなる可能性があるため、ただ痩せるためなら良いかもしれませんが、健康的に痩せるために糖質制限を行うのは望ましくない。ただ、糖質についても

  • 白い穀物から得られる糖質は、血糖値を急激に上げてしまう
  • 小麦には、腸を傷つけてしまうグルテンが含まれている

など、負の側面もあるので注意が必要。

消費カロリーが摂取カロリーを上回っていれば太ることはないので
ダイエットを行う場合は、糖質制限を第一に考えるのではなく「1日のカロリー摂取量を適切に抑える」や「運動習慣を取り入れる」と言うことを重視するべきと言うことですね。

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